占星学と心の探求

占星学の心理的・エネルギー的・構造的視点

アングルにおける意識の4区分

占星学にはアングルと呼ばれる「アセンダント・ディセンダント・MC・IC」という4つの方向性がある。人間意識にとって重要な方向(上昇点・下降点・天頂点・天底点)を4つに分けているということは、「その意識区分も4つに分けられる」という考え方から来ているのだと思われる。

この方向性を元に意識の4区分について考えてみよう。

アングルにおける意識の4区分1

アセンダント(上昇点)。太陽が登る東の地平線に充てられ、そこからまさに人間意識が発芽する場所。容姿・見た目・ものの捉え方・考え方などその人の基本的資質を現す。それはもっとも原初的にして本能的。考えずとも無意識的に出てくるもの。自分の外見というのも生まれた瞬間に世界に現れる。

IC(天底点)。黄道と子午線(天底側)の交わり点。自我に目覚めた意識がより自分のソース(源)を探しにいく場所。自分が自分であるための基盤、オリジナルな存在になるための原動力(原点)となるもの。ここに触れることで誰でもない確固とした自立した個人(自己)になる。

ディセンダント(下降点)。太陽が沈む西の地平線に充てられ、ここから意識は自己から他者(自分以外の存在)へとその興味を移す。それは自分以外の多様な意見(価値観)を知ることであり、世界が大きく広がっていく起点。単体的なものの見方から複合的(集合的)なものの見方への飛躍。

MC(天頂点)。黄道と子午線(天頂側)の交わり点。多様な価値観を知った自己がより大きな世界へとその活動の場所を映していく場所。社会、公共、集団生活の場。様々な人(ものの見方・価値観)が様々な生き方(その活動)をしている中に入っていく。それは自己の世界観を最大限に広げると同時に、自分が人生で目指すべき地点(目標・理想)を示してくれる。


この基本的な4方向は、それぞれ1ハウス(ASC)・4ハウス(IC)・7ハウス(DES)・10ハウス(MC)の境界に充てられている。確かにアングルの意味はそのハウスの意味とほぼ同じものだからだ。つまりこの4つの活動宮の場が意識区分にとって大きな分かれ目になっていると考えられる。

アングルにおける意識の4区分2



これまでいろいろ考察してきたように、ホロスコープの意識区分(意識成長の流れ)にはいくつかの考え方がある。自我として原初的なものから確立した自己へ、そして他者、社会へと成長していくのはどれも同じなのだが、どこでいくつに区分するかという考え方には様々なものがある。

このアングルについてもその場所を「意識が発達していく最初の起点」と考えれば、
○1~3ハウス
○4~6ハウス
○7~9ハウス
○10~12ハウス
という区分の仕方ができる。

アングルにおける意識の4区分3b

その場合は、

○1~3ハウス
自我として最初の目覚めが起き、自分の最初のあり方(見た目・容姿・ものの捉え方)が作られる。自分の意志が生まれ、価値観を作り、言葉を覚えて様々な知識を得ていく。それが自分(自我)としての基本的姿を作っていく。

○4~6ハウス
基本的な形が作られた自我は、より確立された自立した自己を生み出そうとする。そのために自らの原点(ソース・アイデンティティ)を探し、それを元に自分なりの創造性を発揮する。表現された自己を繰り返し見つめること(内省)でさらに確固とした自分に近づいていく。

○7~9ハウス
確立された自己は同じように確立された他者を知ろうとする。それは自分とまったく違う価値観・世界観・あり方を知ることであり、自分ひとりの単体世界から違う他者も加わる複合世界へ活動の場を移すことでもある。それはより自己を高度化させる。

○10~12ハウス
他者も加わった複合世界は「社会」というまったく別の世界を作っている。その場所での自分のあり方を探していく。それは高度化された世界であり、そこで人生の深淵なる姿も見えてくる。目指すべき地点、自分の理想とするもの。人生の到達目標となる場所。

といった意識区分の仕方になるだろうか。アングルがその意識を目指す最初の起点となる。



これに対してアングル本来の意味に沿った区分の仕方もある。アングル(angle)とは「角・角度」という意味で、図にしてみればこういう感じになる。

アングルにおける意識の4区分4

アセンダント・ディセンダント・MC・ICそれぞれを頂点とした四角形の姿。この場合、活動宮(アングル)を中心として1つ前の柔軟宮と1つ後の不動宮を加えた三角形で1つの意識領域を形作ることになる。

この区分の仕方だと、「1つ前の場所(柔軟宮)がアングルの意識を生み出す母体となる」と考えるのだろう。

アセンダントなら1つ前の魚座(12ハウス)がすべてを溶かし、新しい意識を生み出す魂の母体になる(そのための柔軟性)。そこから次の牡羊座(1ハウス)で新しい命を燃え立たせ世界へと出現させる(そのための活動性)。そして牡牛座(2ハウス)肉体・五感・快不快・価値観などによってその存在を固定させる(そのための不動性)。

ICなら1つ前の双子座(3ハウス)で身近な人とコミュニケーションし、兄弟姉妹とふれあい、自分の存在を支える家族・家庭・身近なコミュニティという母体に気づくための準備をする。そこから次の蟹座(4ハウス)で自分の巣を育てるために活動する(家庭の良さ・安心できる場所をたくさん味わう)。そして獅子座(5ハウス)でその安心感から生み出された自分の創造性を発揮することでその存在を固定させる。

ディセンダントなら1つ前の乙女座(6ハウス)で自己を見つめ、磨き、1つの個体として完結させることで「同じ別の個体=他者」に気づくための準備をする。そこから次の天秤座(7ハウス)で他者とふれあうために活動する。そして蠍座(8ハウス)で2者のきずな=お互いの存在感を固定させる。

MCなら1つ前の射手座(9ハウス)で他者と溶け合い集団化した状態を作ることで、社会化への母体作りをする(そのための原理・概念・理想・信念)。そこから次の山羊座(10ハウス)で生み出された社会=集団へ向かって活動する。そして水瓶座(11ハウス)で集団の中にあっても揺るがない独立した個を作ることで「集団と個の関係性」を固定させる。

○母体を生み出すための柔軟エネルギー
○生み出された意識を広げる活動エネルギー
○それを固定させる不動エネルギー

そうやって「前段階としての柔軟宮→起点としての活動宮→安定させるための不動宮」という3つの作用により、1つの意識区分を成長させるという考え方になるのだろう。



それぞれ興味深い区分の仕方だが、意識を4つに分けているのは同じ。アングルでは意識を4つに分け、4元素(火・地・風・水)では意識を3つに分ける。こういう分け方を全体としてどう1つのものに統一していくかはこれからの課題。


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