兄弟・姉妹としての3ハウス(3)
『180度の関係性的視点』
今度はまた別の視点から見てみたいと思う。ホロスコープにおける180度の軸…。この軸には「お互いを補完する関係性」、あるいは「基礎的なものと発展的なものとしての関係性」がある。(注1)
3ハウス(双子座)の「基本言語・基礎学力・思考能力」が最初にあり、それを高度化したものが9ハウス(射手座)の「高等教育・抽象概念・思想哲学」につながっていくわけだ。
3ハウスは情報を集めることに終始する。好奇心のおもむくまま、色々な知識に触れること。それで満足してしまうが、9ハウス(射手座)はそこからさらに発展させ、集められた情報をまとめ、法則&抽象概念を見つけ、より体系的な知識に仕上げる。バラバラだった知識に全体としての構造化をもたらすわけだ。
○身近なところであっちこっち飛び回る双子座。
○より大きな世界(都会・外国)へ飛び立つ射手座。
小さなものと、大きなもの。
部分的なものと、全体的なもの。
そういう関係性が3ハウスと9ハウスにはある。だとすれば、9ハウス(射手座)から3ハウス(双子座)を考えてみることもできるのではないだろうか。
9ハウスの特徴は『社会化』だ。個人の存在、あるいは個人と個人の親密なつながり。そういったものを越え、もっと大人数の集団としてまとまる。その集団性の礎となるもの(=理想・理念など)を生み出す。それを元に次の10ハウスで実際の組織を作る。
ということは、180度反対側の3ハウスには、その集団性の礎の基本的要素となるものがあるのではないだろうか。そういう視点で「兄弟・姉妹」というキーワードを考えてみよう。
兄弟・姉妹の関係性には次のような特徴がある。
○「互いに比べ合う」
自分の技術、能力、発達度、人気、評価など
比べ合うことで自分の状態(位置)を確認
親からの比較もレッテル貼りになる=上からの決め付け
○「競争&ライバル関係」
切磋琢磨。お互いの成長力UP
勝つことと負けることを学ぶ。人生における敗北や失敗
傷つき、傷つけられることで(子供は概して乱暴)、
自分をセーブし、周りと協調していくことを覚える
○「誕生の順番」
生まれた順番によって経験する、特有の立ち位置がある
→長男・長女
(年長としての権力・特権・責任など)
→次男・次女
(真ん中としての柔軟さ、兄・姉の立場と弟・妹の立場の両方を経験)
→末っ子
(一番下としての特権と苦しさ)
*これらは上司・中間管理職・平社員の関係性にも似ている
○「上下関係」
肉体の差、体力・知力の差。
その中での立ち居振る舞い方
モノ(食べ物・服・おもちゃなど)の取り合い
所有物の取り合い
それらの分かち合い
*これは社会生活の基本にも通じる
兄弟姉妹の中で味わうこれらの経験が、ほとんどそのまま社会生活(集団内における経験)の原型になっているのが分かるだろう。私たちは知らず知らずのうちに、兄弟姉妹の関係でそういう練習をしているのだ。たとえ、1人っ子&2人兄弟だとしても、親しい友達(=隣人)との間で同じような経験をするだろう。
そういう意味では、3ハウスの兄弟・姉妹関係は「社会集団における関係(9ハウス)の基礎」になっているとも言える。兄弟・姉妹を含め、身近な隣人たちとの関係性は、人が大人になって社会参加するのに欠かせないものだ…と。
○競争意識あり、コンプレックスあり、
○憧れあり、友情あり、助け合いあり。
○先輩としての立場もあり、後輩としての立場もあり。
血のつながりが「ちょっとくらい乱暴なことをしても、この関係は壊れない」という安心を与え、その保証された枠の中で、人は社会人になっていくための基礎練習をするのかもしれない。
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(注1)以下の記事を参照
180度の関係性 -牡羊座(1)と天秤座(7)
180度の関係性 -牡牛座(2)と蠍座(8)
180度の関係性 -双子座(3)と射手座(9)
180度の関係性 -応用編-
180度の関係性 -蟹座(4)と山羊座(10)
180度の関係性 -蟹座(4)と山羊座(10)
180度の関係性 -獅子座(5)と水瓶座(11)
180度の関係性 -獅子座(5)と水瓶座(11)
180度の関係性 -乙女座(6)と魚座(12)
180度の関係性 -乙女座(6)と魚座(12)
180度の関係性 -応用編-②