占星学と心の探求

占星学の心理的・エネルギー的・構造的視点

「もっと上へ!上へ!」の意識

(9/18付)
豊田真由子議員のTVインタビューを見ていていろいろ思うことがあったのでまとめてみたい。「土星について」。この方のホロスコープを見ると、土星が強力な配置になっているのが分かる。

○土星と太陽の90度
○土星と火星の90度
○土星と金星の90度
○蟹座の土星

(※冥王星も強力な配置だが話が大きくなりすぎるので割愛する)

豊田真由子_ネイタル

あの暴言テープを聞いて「あ~典型的な土星と火星の90度の反応だなぁ」と思ったのを覚えている。理不尽なこと・ルールを守らないこと・やるべきことをやらない人・デキない人に対してウワーっ!と怒りを爆発してしまう(ただし下の立場の人に対してだけ)。自制すればいいのにそれもできない。


インタビューを聞いていると、いろいろ土星的なキーワードを語っていた。自己肯定感が低い、親が厳しかったなど。占星術において「土星の厳しさ」は有名だがなぜなのだろう?

人間の意識にはいくつかの次元があって、

○純粋な「個としてのレベル」
○他者とつながりを持った「対人関係のレベル」
○集団として人が集まった「社会性のレベル」

などがある。このうち土星は社会性のレベルを担当するエネルギー。この社会性というのが土星の厳しさの秘密ではないだろうか。

社会や集団の場にはそれ相応のルールがある。自分ひとりでいる時のような勝手な振る舞いは許されない。そんなことを許せば個々がバラバラに動いて集団として成り立たなくなるからだ。だから人が集まる集団の場には必ず決まりがある。決まりは規則となり従うべき規範となり、全員にとっての(暗黙の)常識となる。そうやって社会的な場は成りなっているわけだが、同時にこの社会的な場(集団の場)は大勢の人が集まる場であることによって、力(=権力)を持つ。1人でいる人間と100人集まって組織されている集団とではどちらが強いか?を考えれば誰でも分かるだろう。

そこにはたくさんの金があり、知恵があり、活動力がある。その集団によって生み出されるちからを、個々の人間に与えることで大きな権力(パワー)を手にすることができる。土星の権力(パワー)とはこれなのだ。

だから土星は人を集団化(社会化)させようとする。それは社会でのあり方やルールを守らせることであり、そこでの常識や規則に従い、自分を律すること。個人(個としてのレベル)にとってはとても抑制的・統制的・管理的に映る。



人はこの上下関係(外惑星である土星―内惑星)を幼児期においては「親と子供の関係」、成長してからは「周りの大人と自分の関係」から学ぶ。人は誰でも下の立場(個の意識レベル)から始まるからだ。となると、この社会性(個のレベルにとっては厳しい存在に映る)は最初は親や周りの大人という外部からやってくることになる。

この「個と社会の関係性」は「下と上の関係性」になるので、下のもの(個人)から見ると、常に上へ!上へ!という目線になる。これが心理的に働くと

○もっと上を目指さなければいけない
○もっとデキる人にならなければいけない

という土星的な心情になる(※1)。そして最初にその土星的役割を担う親や周りの大人は、子供に対して「もっと頑張りなさい!もっと上を目指さしなさい」という厳しい存在に映ってしまうわけだ。だがそれはあくまでその子をさらなる高みへ登らせるため(成長)の愛であり、将来的に土星的意識であるパワー(知識・才能・魅力・社会権力など)を子供に与えることになる。


豊田真由子_TVただ「個のレベル」からすれば、子供のように自由に表現したいのを抑えられたり、我慢させられたり、禁止させられたりするのはかなりのプレッシャー。ただでさえ土星はそういう風に感じるのに、豊田真由子議員のようにハードアスペクトになるとそのプレッシャーは強烈になる。

○豊田真由子はダメなやつなんです
○一生懸命やってきたけどダメな人間なんです
○アホなやつ、脇の甘いやつなんです

いみじくも宮根さんがしつこくダメ出ししたように、こういう「否定」を彼女はずっと浴びせられてきたのだろう。ハードアスペクトは「自分から望むもの(=調和)」というより、「押しつけられるもの(=不調和)」という感じがしやすいので、それを周りの大人に投影してしまうのだ。


○太陽→自分らしさ(自己存在)を褒めてくれない親、ダメ出しばかり、否定ばかりする教師
○火星→自分のちから(実行力)を否定する親。勝手なことばかりするな!黙って言うことを聞け!口答えするな!
○金星→自分の優しさ(魅力)を拒否する親。冷たい、愛情・情緒を示してくれない。抱きしめてくれない

まず最初に自由に楽しく表現されるべき内惑星の資質(太陽・金星・火星)が、否定・禁止・抑圧・拒否といった形で押さつけられてしまう。抑圧されたエネルギーは心の中で悪化し、ネガティブな表現になる。

○太陽→自己肯定感の低さ。何をやっても満足できない。何をしても自分はダメだ
○火星→ちょっとしたことでイライラ。怒りの爆発(暴言・暴力など)
○金星→ひねくれた心、いじけた心、人の優しさを素直に受け取れない

そうやってネガティブになってしまった表現は、今度自分が上の立場(大人)になったとき、下の立場の人(子供・部下)にぶつけられる。厳しすぎる親・全面否定する教師・なにをしても認めない上司など。それはかつて自分が親や周りの大人にされたのと同じ態度。こうやってネガティブ連鎖は受け継がれる。



ハードアスペクトの人に必要なのは、

○それは元々相手の成長を願っての行為だったということ
○悪意からではなく善意からのものであったということ
○それは親が子供の輝かしい将来を導くような、愛あふれるものだったということ

を思い出すこと。ただあまりに抑圧・否定されたために心がひねくれてしまっただけだと気づくこと(子供だけでなく親もそうだったと)。そうすればハードアスペクトに良い流れが作られる。ソフトだから良くてハードだから悪いのではなく、意識する方向がちょっとズレやすい(90度180度)というだけ。

実際、同じようなハードアスペクトの方で

○しっかり丁寧に根気強く
○優しい微笑みを讃えながらも時に厳しく
○相手の成長を心から願う

そんな素晴らしい教師的表現をされている方はいくらでもいる。元々自分に厳しい人だから、それをちょっと緩め、あるべき方向へ戻してあげる。それだけで土星本来の力が戻ってくるだろう。(もちろんサターンリターンを終えていることが重要なポイントだが)


※ただ最初に書いたように冥王星の存在については考慮していない。あくまで土星についてだけ。あれほどサイコパス的な言動になったのは冥王星の存在がかかせない。





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※1) 同じ社会性エネルギーである木星にも実は似た心情がある。「もっと広く!もっと大きく!」というもの。これが土星のように抑制・制限的な気持ちではなく、拡大・発展的な気持ちに感じられるのはなぜだろう。まだまだ考察不足だが、おそらく能動的エネルギー(奇数エネルギー)と受動的エネルギー(偶数エネルギー)の違いなのだろう。それは「追い風」と「向かい風」のエネルギーと言ってもいいかもしれない。一見したところ追い風(木星)の方がラクだと思うかもしれないが、木星のハードアスペクトがそうであるように「自分じゃ止められない・限度を知って抑えられない」といった苦しみが木星にもある。

つまりこの心情の本質は「自己と社会」「個体と集団性」「小さなものと大きなもの」という上下関係を、下位側(自己・個体・小さなもの)から見てしまっていることにあるのではないだろうか。

【下から上を見ている時】
下位のものが上位へ行きたいと願う気持ち
○もっと多く!もっと広く!=木星
○もっと上へ!もっとデキる!=土星

では上位側(社会・集団性・大きなもの)から見ている時はどうだろう?おそらくそれは親・教師・上司といった本来のあるべき視点として感じられるのではないだろうか。

【上から下を見ている時】
上位のものが下位のものを引き上げたいと願う気持ち
○この子にもっと大きな世界を見せてあげたい=木星
○この子のもっと大きな力を育ててあげたい=土星

「君ならできるよ!もっといける!すごいよ!がんばれ」。そういった愛ある心情として。


ネプチューン・スクエア実況(3) -その後-

ネプチューン・スクエア(トランジット海王星がネイタル海王星と90度の期間)が終わってから1年ちょっと。その後の出来事についてまとめておきたい。私が経験した内容では、ネプチューン・スクエアの時期は分からないことだらけ。今まで歩んできた道に靄がかかり、これでいいのか、これで良かったのか、不安と迷いに囚われる日々。それまで必死に信じ頑張ってきた道だからこそ、それへの疑問は自分自身への信頼を揺らがせた。

翻弄の渦を前に抗うことすらできない。ただその状態を受け入れ、飲み込まれるだけ。その間ずっと自分を見つめていた。もちろん答えなど見つからない。見つからないのだけど、見つからないままそのままでずっと漂っていた。そんな状態を1年2年続けていると、だんだん諦めの気持ちが出てくる。「もうダメなのかな。もうどうしようもないのかな…」。それと共にスピリチュアルへの気持ちは離れ、占星学への情熱も冷めてきた。そういう状態が長くつづいた。


だが、心の奥にある、かつて自分が感じた「ここだ!ここなんだ」というひらめきは消えなかった。ここだけはどうしても揺るがなかった。

信じたいというより、確信に近いもの。なんの根拠もないのだが、確かに自分の中では「ここなんだ!」という。海王星によって色々なものが揺らいだが、それによって諦めの気持ちが多くのものを流し去ったが、逆にそれは新しい見方を与えてくれるきっかけになった。



スピリチュアルについてはしばらく諦めよう。素晴らしい、理想的な生き方。確かに憧れるがそれは一旦脇に置き、とりあえずこの人生を生ききろう。現実を受け入れ、現実と共に歩むこと。50代・60代・70代・80代になってみなければ分からない意識があるはず。まずはそれを経験すること。その意識は木星や土星、天王星や海王星についてもっと多くのことを教えてくれるだろう。それからでも遅くはないと。

そして占星学については「占い解釈的なもの」をやめること。ちょっとはやってもいいかもしれないが、でももうそこはメインじゃない。これから目指すべきは「より構造的な解釈としてのもの」。ホロスコープの構造を、その意識的仕組みを、既存の科学的知識とすり合わせること。

心理学・社会学・宗教学・人類学・言語学・認知学。モノとしての存在、個人としてのあり方、自己と他者の関係性、自己と社会の関係性。精神と物質、言語と認識、記憶と認知、個と集団、世代の関係性。ホロスコープ構造が示す内容を、既存の科学的知識とすり合わせ、再解釈していく。

今の占星学において支配的なのは「曖昧なキーワード」による「感覚的解釈」。牡羊座は”アグレッシブ”で、牡牛座は”美しいもの”好き、双子座は”好奇心旺盛”で”おしゃべり”。だが、そのキーワードがどういう構造を持って順序立てられているか、どういう仕組みで秩序立てられているかは、まったく不明なまま。



いわば、今まで見ていた視点をズラし、違う角度から新たに見つ直すこと。別のものとして別の視点から向き合うこと。長く翻弄されながら思ったのは「やはり科学的知識(思考)を無視してはいけない」と。科学知識そのものがメタフィジカルである占星学を説明しきれるとは思わないが、科学的知識のない占星学もやはり真実を捉えきれないと。

それによってどこまで真実にたどり着けるかわからない。だが山の頂上へ至る道は1つではない。さまざまなルートを辿ることで頂上へ登ることができるし、むしろ頂上へたどり着くより山の全体像を捉えることこそが私が本当に望むことなのかもしれない。

こういうのは海王星がスピリチュアルや占星学への信頼を失わせてくれたから、たどり着いた気持ちかもしれない。スピリチュアル(+占星学)も科学も両立できる道。お互いを裏表として統合できる道。この新しい道はこれから10年20年かかるだろう。そういう意味では進むべき方向性に迷いがなくなったと言える。少なくともスピリチュアルや占星学については。

それ以外のプライベートな事柄に関しては相変わらず迷いの中。まだ何も見えない。こちらにも同じように「翻弄の後の光」みたいなのが見えるのだろうか。おそらくこれについては、来年から始まるウラノス・オポジション(トランジット天王星がネイタル天王星と180度の期間)と重なってくると思われる。

それらについてはまた時期がきたら記していこうと思う。


アングルにおける意識の4区分

占星学にはアングルと呼ばれる「アセンダント・ディセンダント・MC・IC」という4つの方向性がある。人間意識にとって重要な方向(上昇点・下降点・天頂点・天底点)を4つに分けているということは、「その意識区分も4つに分けられる」という考え方から来ているのだと思われる。

この方向性を元に意識の4区分について考えてみよう。

アングルにおける意識の4区分1

アセンダント(上昇点)。太陽が登る東の地平線に充てられ、そこからまさに人間意識が発芽する場所。容姿・見た目・ものの捉え方・考え方などその人の基本的資質を現す。それはもっとも原初的にして本能的。考えずとも無意識的に出てくるもの。自分の外見というのも生まれた瞬間に世界に現れる。

IC(天底点)。黄道と子午線(天底側)の交わり点。自我に目覚めた意識がより自分のソース(源)を探しにいく場所。自分が自分であるための基盤、オリジナルな存在になるための原動力(原点)となるもの。ここに触れることで誰でもない確固とした自立した個人(自己)になる。

ディセンダント(下降点)。太陽が沈む西の地平線に充てられ、ここから意識は自己から他者(自分以外の存在)へとその興味を移す。それは自分以外の多様な意見(価値観)を知ることであり、世界が大きく広がっていく起点。単体的なものの見方から複合的(集合的)なものの見方への飛躍。

MC(天頂点)。黄道と子午線(天頂側)の交わり点。多様な価値観を知った自己がより大きな世界へとその活動の場所を映していく場所。社会、公共、集団生活の場。様々な人(ものの見方・価値観)が様々な生き方(その活動)をしている中に入っていく。それは自己の世界観を最大限に広げると同時に、自分が人生で目指すべき地点(目標・理想)を示してくれる。


この基本的な4方向は、それぞれ1ハウス(ASC)・4ハウス(IC)・7ハウス(DES)・10ハウス(MC)の境界に充てられている。確かにアングルの意味はそのハウスの意味とほぼ同じものだからだ。つまりこの4つの活動宮の場が意識区分にとって大きな分かれ目になっていると考えられる。

アングルにおける意識の4区分2



これまでいろいろ考察してきたように、ホロスコープの意識区分(意識成長の流れ)にはいくつかの考え方がある。自我として原初的なものから確立した自己へ、そして他者、社会へと成長していくのはどれも同じなのだが、どこでいくつに区分するかという考え方には様々なものがある。

このアングルについてもその場所を「意識が発達していく最初の起点」と考えれば、
○1~3ハウス
○4~6ハウス
○7~9ハウス
○10~12ハウス
という区分の仕方ができる。

アングルにおける意識の4区分3b

その場合は、

○1~3ハウス
自我として最初の目覚めが起き、自分の最初のあり方(見た目・容姿・ものの捉え方)が作られる。自分の意志が生まれ、価値観を作り、言葉を覚えて様々な知識を得ていく。それが自分(自我)としての基本的姿を作っていく。

○4~6ハウス
基本的な形が作られた自我は、より確立された自立した自己を生み出そうとする。そのために自らの原点(ソース・アイデンティティ)を探し、それを元に自分なりの創造性を発揮する。表現された自己を繰り返し見つめること(内省)でさらに確固とした自分に近づいていく。

○7~9ハウス
確立された自己は同じように確立された他者を知ろうとする。それは自分とまったく違う価値観・世界観・あり方を知ることであり、自分ひとりの単体世界から違う他者も加わる複合世界へ活動の場を移すことでもある。それはより自己を高度化させる。

○10~12ハウス
他者も加わった複合世界は「社会」というまったく別の世界を作っている。その場所での自分のあり方を探していく。それは高度化された世界であり、そこで人生の深淵なる姿も見えてくる。目指すべき地点、自分の理想とするもの。人生の到達目標となる場所。

といった意識区分の仕方になるだろうか。アングルがその意識を目指す最初の起点となる。



これに対してアングル本来の意味に沿った区分の仕方もある。アングル(angle)とは「角・角度」という意味で、図にしてみればこういう感じになる。

アングルにおける意識の4区分4

アセンダント・ディセンダント・MC・ICそれぞれを頂点とした四角形の姿。この場合、活動宮(アングル)を中心として1つ前の柔軟宮と1つ後の不動宮を加えた三角形で1つの意識領域を形作ることになる。

この区分の仕方だと、「1つ前の場所(柔軟宮)がアングルの意識を生み出す母体となる」と考えるのだろう。

アセンダントなら1つ前の魚座(12ハウス)がすべてを溶かし、新しい意識を生み出す魂の母体になる(そのための柔軟性)。そこから次の牡羊座(1ハウス)で新しい命を燃え立たせ世界へと出現させる(そのための活動性)。そして牡牛座(2ハウス)肉体・五感・快不快・価値観などによってその存在を固定させる(そのための不動性)。

ICなら1つ前の双子座(3ハウス)で身近な人とコミュニケーションし、兄弟姉妹とふれあい、自分の存在を支える家族・家庭・身近なコミュニティという母体に気づくための準備をする。そこから次の蟹座(4ハウス)で自分の巣を育てるために活動する(家庭の良さ・安心できる場所をたくさん味わう)。そして獅子座(5ハウス)でその安心感から生み出された自分の創造性を発揮することでその存在を固定させる。

ディセンダントなら1つ前の乙女座(6ハウス)で自己を見つめ、磨き、1つの個体として完結させることで「同じ別の個体=他者」に気づくための準備をする。そこから次の天秤座(7ハウス)で他者とふれあうために活動する。そして蠍座(8ハウス)で2者のきずな=お互いの存在感を固定させる。

MCなら1つ前の射手座(9ハウス)で他者と溶け合い集団化した状態を作ることで、社会化への母体作りをする(そのための原理・概念・理想・信念)。そこから次の山羊座(10ハウス)で生み出された社会=集団へ向かって活動する。そして水瓶座(11ハウス)で集団の中にあっても揺るがない独立した個を作ることで「集団と個の関係性」を固定させる。

○母体を生み出すための柔軟エネルギー
○生み出された意識を広げる活動エネルギー
○それを固定させる不動エネルギー

そうやって「前段階としての柔軟宮→起点としての活動宮→安定させるための不動宮」という3つの作用により、1つの意識区分を成長させるという考え方になるのだろう。



それぞれ興味深い区分の仕方だが、意識を4つに分けているのは同じ。アングルでは意識を4つに分け、4元素(火・地・風・水)では意識を3つに分ける。こういう分け方を全体としてどう1つのものに統一していくかはこれからの課題。


性エネルギーの原初

オナニーをしていれば分かるが、性欲の根本的なものは「異性的な資質にふれたい」という欲求だと思う。人は自分と反対の性に対して深い憧れがある。普段の自分(性)では届かないものだからこそなんとかそれを手に入れたい・ふれたいと強く願う。男性なら女性が持っている美しさ・柔らかさ・優しさ・受容力・包容力・温かさ、そういったものにふれたい、自分のものにしたいと。女性なら男性が持っている格好良さ・力強さ・逞しさ・能動力・活発性、そういったものにふれたい、自分のものにしたいと。

それが性欲となり、異性とセックスしたい(付き合いたい)というい原初的なエネルギーになるわけだ。

オナニーというのは、実際の異性との付き合いとは少し違っていて、すごく個人的・内面的・自己的な行為だと思う。それは自分が心の中で想像する「異性イメージ」を強く意識させ、それとまぐわうための色々な方法論(エロ行為)を考え出す。その時、エロの情熱に飲まれながら知らず知らずのうちに異性イメージを自分の中に取り込んでいるわけだ。この「異性的イメージ」に対する欲求は明らかに「実際の人間としての異性」の付き合いとは分けて考えるべきだと思っている。それはオナニーと実際の異性とのセックスの違いではっきり分かることだ。


そういう視点で性エネルギーを考えてみよう。占星学の教科書では性エネルギーは「火星と金星が現す」と考えるのが基本になっている。ではなぜ火星と金星なのか?

あくまで仮説だが、地球を中心として地動説的宇宙を見た時、内惑星側へと向かう最初の惑星が「金星」となっていて、外惑星側へと向い最初の惑星が「火星」となっているところに秘密があるのではないだろうか?

性エネルギーの原初

月はもちろん地球を中心に公転しているので左右どちらも含んでいる。それに対して金星は内惑星側へと、火星は外惑星側へと向かう最初の惑星になっている。この原初としての2方向(内側&外側)がそれぞれ陰的なもの=女性性、陽的なもの=男性性の基本的エネルギーになっているのではないだろうか?

私たちが個として性的な資質を備えようとするとき、「内側へ向かうエネルギー=女性性」・「外側へ向かうエネルギー=男性性」それぞれ2つの方向性を区別し、それが肉体的な女性 or 男性としての性別差として現れる。

女性として生まれたものは反対性である男性性(外向的エネルギーの原初)をなんとか自分のものとしようと性の欲求を覚え、男性として生まれたものは反対性である女性性(内向的エネルギーの原初)をなんとか自分のものとしようと性の欲求を覚える。それが性的エネルギーの最も基本的・原初的エネルギーとして私たちの本能に含まれるのではないだろうか?と。


そういう仮説に立つと、「反対性への欲求」と「個としての特定他者とのまぐわい欲求(いわゆる恋・愛)」は分けて考えるべきなのではないかと思う。確かにこの2つは重なる部分がある。だが男性にとって反対性である女性性的資質は永遠の課題であり、女性にとって反対性である男性性的資質は永遠の課題である。それは「自己の統合」という意味において自分自身の内面において行うべき作業。実際の個である特定他者とのふれあいは、確かにそれに刺激を与えてくれるものではあるが、「自己の内面作業(男性性・女性性の統合作業)」と「自立した個との融合」とは別個のものなのではないかと。

そう考えると「他者とのまぐわい」である天秤座・蠍座の支配性が金星・火星と考えることの矛盾も見えてくる。異性性ではないのだ。天秤座と蠍座は「他者」と関わる星座であり、性エネルギーを超越したところにある意識だと言える。そういう考えに至ったとき、天秤座・蠍座(7ハウス・8ハウス)に対するもっと深遠なものが見えてくるのではないだろうか。


4つの方向 3つの層(2)

この4つの方向性は、それぞれバランスを取りながら1つの意識的次元層を構成する。その中で起こる様々な動き。それが人間の心理活動・行動活動の源泉となる。

1-4図 5-8図 9-10図


4つの方向性が1つの層を形作っているわけだが、このままだと安定しすぎて「次の動き」へつながらない。そこで第5の方向性として1~4をまとめる動き(円運動)が起こってくる。

4システム_3b

この第5の動きが意識を上昇させ、もう1つ上の次元へと飛躍させる。その時、この第5の動きが新しい次元における起点になって次の5~8が生まれてくる。

そうやって意識の次元層が3つできることになる。

○個の要素の次元
○完成された個(自己)の次元
○集団性の次元

それは回転しながら上昇する螺旋運動とも言える。

4システム_4b

物事の仕組みとしての3層構造。これが投影されたものの1つとして「子供→親→祖父母」という、家族における3つの意識層などがある。

火の星座が他の星座と違うのは、この「意識次元を上昇させるちから」があること。彼らが持っている創造力は、その内部に下位の4つの方向性エネルギーを包んでいて、それらの衝突から生み出されてくるもの。火・地・風・水というすべての原理を含むからこそ、その創造行為(牡羊座=アクション、獅子座=表現、射手座=思索)には生命の息吹が感じられる。


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